神戸市では、梯子車や10t水槽車などの車を“特殊車両”と言う一つの括りでまとめています。
そのため、それらを運用する隊はいわゆる「はしご隊」や「搬送隊」ではなく、特殊車隊と呼ばれ、1隊2名で構成されています。
現在、神戸市には15m級はしご車、30m級はしご車、50m級はしご車、10t水槽車などの特殊車が全市に配備されています。
そしてこれら特殊車は1署に複数台配置されていることが多いため、特殊車隊はそれらを災害に応じて乗り換えて出動します。
必ず1台2名(小隊長・機関員)で活動するため、複数台を同時に出動させる事は出来ません。
例えば梯子車と10t水槽車を乗り換え運用している場合、梯子車で出動している間は10t水槽車は出動できません。
もし両方が必要になった場合には、近隣の別の車を出動させる事になります。
様々な車を乗り換えている部隊のため、無線のコールサインはそのとき乗り込んで出動している車両の車体番号になります。
(例・小型はしご車「垂水27」に乗って出動している場合は「垂水27小隊」となる)
災害発生時、特殊車隊にはその災害の種別と出動計画に基づいて出動指令が掛けられるため、
どの車両に乗って出動するのかというのは毎回異なります。
例えば一般的な建物火災の場合は第一出動で現場に一番近い小型はしご車が選出され、
高層建物火災の場合には、現場に一番近い大型はしご車と次に現場に近い小型はしご車、
計2台が選出されます。
さらに第二出動では空気充填照明車に出動がかかり、必要に応じてさらに増強される事もあります。
しかしはしご車などの大型車は現場の状況次第では十分に活用することが難しく、
その場合、特殊車隊は指揮隊の支援などにまわっています。
阪神・淡路大震災後、国から支給された震災補助金を活用し、同年中に10t水槽車×11台と
大容量送水システム(大容量ポンプ車、ホース延長車のセット)×9セットが配備されました。
震災から20年近く経過した今でも、10t水槽車はその必要性から市費で更新され、現在も11台が配備されています。
大容量送水システムも当時の大容量ポンプ車2台、ホース延長車2台が未だ現役で活躍しており、
さらに2010年に総務省消防庁から海水利用型消防水利システム車が貸与された事により、現在は計3セットが配備されています。
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